サテンドール魅力の秘密

サテンドールの店内は、とても居心地がいいですよね。これは、お店の作りとか、いろいろなところに気を配られているからだと思います。

「そうですね。六本木の店は、パティオをイメージして作っています。細かいところまで、意味があるんですよ」

そういったコンセプト作りとか、設計などは、どなたがされているんですか?

「ぼくが全部設計しています。隅々まで、考えています」

それはすごいですね! もともと、考えることはお好きなんですか?

「そうですね。設計は興味があって、よくやりますね。友人宅も頼まれて考えたりしています。ピアニストの今田勝さんのご自宅も設計しました」

サテンドールは、神戸のお店、銀座のお店ときて、六本木で3軒目ですが、やはり全部、井上社長が考えられたんですか?

「それぞれに違うコンセプトで作ってきています。最初は、JAZZの暗いイメージを変えたいというのがありましたから、明るい店内をめざしました。植物を置いたり、春なので、ほら、花も入れてみたり」

あ、いつのまにか。店内にも春が来ています(笑)。あと、気になっていたのは、店内にいつも絵が飾ってあることです。

「絵は、描くのも見るのも好きでなんです。不思議ですが、JAZZも絵画もモダンが好みで、とくにカンディンスキーは大好きですね。今度、カンディンスキーをぜひ飾りたいと思っています。それから、ミュージシャンのマイルス・デイビス」

はい、トランペッターの。

「彼は、絵もとてもうまいんです。『帝王』というタイトルの画集も出しています」

え! それは知らなかったです。画集、ぜひ紹介したいですね。

「マイルスの絵を、店内にいつか飾れたらと思っているんですが」

わぁ! それは話題になります。楽しみですね。それから、私がとても勉強になったことが、ひとつあるんです。

「え、ひとつだけですか(笑)」

突っ込まないでください(笑)。サテンドールでは、お客様が大きな声でお話しされていると、注意されているところを見かけることがあります。

「お客様に、楽しく過ごしていただくのは本当にうれしいんです。今聴いてる音楽のことを話されたり、盛り上がったり、どんどんしていただきたいと思います。ただ、JAZZを聴いていただく店なのに、お酒が入って酔っぱらうと、音楽と関係ないことで、周りに考慮せず騒いでおられるお客様がたまにいらっしゃるんです。すこし声を小さ目に、とお願いするのですが、それでもダメな場合は、ご退席いただくこともあります。演奏を一生懸命聴いてくださっているお客様に迷惑をかけてしまいますし、飲んで騒ぎたいだけなら音楽のないところに行かれた方が楽しめますからね」

わたし、それを最近とてもよく考えるようになりました。お客様って、一人来ていただこうと思ったらすごく大変ですから、ほとんどのお店は見逃してしまうんですね。でも、ちゃんと歌を聴いてくださってるお客様を大切にしたいので、最近は演奏中は声小さ目にとお願いするようになりました。もう二度と来てくれなかったりしますけど(笑)。

「それは仕方ないですね。あともうひとつ。ぼくは、開演時間は絶対に遅らせないことにしてるんです。ふつうは、お客様がそろわないと開始を待ったりするでしょう? でもそうなると、きちんと時間通りに来てくださったお客様にとても失礼だと思うんです」

あ、それもその通りだと思います。皆さんお仕事やいろいろで忙しいのに、開演時間までにお店に来るって、すごく大変なんですよ。それに、事情があって遅れる方は、そういう覚悟でいらっしゃいますから、むしろ恐縮されますよね。

「そうですね。お客様に楽しく過ごしていただくためには、そういった、細かいところまでの気配りはとても大切だと思います。そういったお話を、この章ではしていきたいと思います」

なるほど! サテンドールが楽しい理由、まだまだたくさんありそうですね。これは勉強になります。