サテンドール魅力の秘密
ジャズレストラン六本木サテンドールオーナー井上社長

Vol. 1  JAZZ屋としてできること…日本大震災チャリティライヴ

JAZZ屋としてできること…日本大震災チャリティライヴ


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2011年3月11日14時46分、未曽有の大地震が起きました。観測史上最大と言われるマグニチュード9,0。多くの建物が倒壊しただけでなく、場所によっては波高10m以上、最大遡上高40.1mにも上る大津波が発生して東北沿岸地域を襲い、多くの方が亡くなりました。

「被害に遭われた方々は、ほんとうにお気の毒でした。あのとき、日本は大混乱でした。ぼくは神戸の出身ですから、阪神大震災のことがずっと心の中にあるんです。家族の心配でいても立ってもいられなかったし、最初に作った神戸サテンドールを甥っ子に任せていたんですがそれも、震災で店は大丈夫だったのですが、ビルの建て替えが決定してしまいました。」

神戸サテンドールが? そうだったんですか。

「ぼくが持った最初の店ですね」

あのときは、日本中が絶望のどん底にいました。関東に住んでいるわたしたちでさえ、ショックで何もする力がわかなかった。実際に被害に遭われて、家も家族も亡くされた方がたくさんおられる中では、そんなことは何でもないはずなのに。

「消費も冷え込みましたね。節電しなくてはならなかったこともあって、街に活気がなくなって、つぶれる飲食店も出てきました。人が外食しないので、やっていけないんですね。

「でもそれじゃ日本は立ち直ることができない。ああいったときに大切なのは、一緒に悲しむのではなく、自分たちにできることをすることなんです」

貯蓄より消費、自炊より外食、と合言葉のように言ってましたね。どんどん経済を活性化して日本を立て直していかなければ、援助したくてもできなくなります。そういった意味で、チャリティライヴを開いて売り上げを寄付するというのは、とてもいい方法ですね。とくに、サテンドールのような規模の大きな店で行われると、影響も大きいと思います。

「自分たちにできることは限られています。わたしはJAZZ屋として、できるだけのことをしたいと考えた。そんなとき、麻生ミツキータ光希さんがチャリティライヴを提案してくれたんです。すぐに乗ることにしました」

それが、震災のすぐ後のことですね。たしか、4月からチャリティライヴが行われたと記憶しています。

「じつは、阪神大震災が起きたとき、やはり同じことを考えていました。ですが、ぼくが神戸の出身だったために、そのためにミュージシャンにノーギャラで出てもらったり、お客様からお金をいただいたりすることに身内びいきの様な気がして、その為に思うような支援ができなかった。だから今回は、とにかくできるかぎり続けようと思いました」

震災直後は、たしかにいろいろなお店で募金活動が行われたり、チャリティライヴもあったと思います。でも、1年以上経った今でもサテンドールだけは続けている。それが素晴らしいことだと思います。

「最初の1年は、毎月開催していたんです。毎月大変な思いをしながらどうにか続けてい

たんですが、正直、かなり辛かったですね。お客様が何人来てくれるか、売り上げがどれぐらいあるか、それによって寄付額も変わるわけですから。これはとても続かないと思いました。これで経営が破たんしてしまっては、援助がまったくできなくなりますから、意味がありません。でも、だからといってやめたくはない。3か月に一度なら、どうにか続けることができるので、この方針に切り替えました」

東北の知人に聞いたのですが、ボランティアや支援団体でも同じようなことが起きているそうです。みんなとにかくできることをやりたいから、最初は熱心に支援活動をする。無理したりもするそうです。でも、長期間に渡ると疲弊してしまって、やめてしまう人が出てくる。そうなると意味がないから、無理をしないように、長く続けられるスタンスで臨んでもらいたいのだと。結果的にはそのほうが意味があるんですよね。

「当初はやはり、危機的状態ですからある程度の瞬発力は必要だと思います。でも、そのあとで大切なのは、長く続けることで、そのための方法を考えることですね。無理をすると何事もよくありません」

わたしが初めてサテンドールに出演させていただいたのが、震災の一か月前の2月11日で、次の出演が、震災後2週間も経たないうちだったんです。海外の出演者は国に帰られたり、出演が決まっていたけど出られなくなった方も何人もいて、大混乱でした。そんなときに自分なりに考えたのが、自発的チャリティライヴだったんです。自分だけでもいいから、歌を歌っていただくチャージバックを募金しようと。で、来てくれるお客様にだけそれを伝えて、細々と続けていました。

「それは知らなかった。MCでは言いませんでしたね」

MCで言ってしまうと、じゃあ他の出演者はやらないのかとか、お店はやらないのかとか、ご迷惑をおかけすることになると思ったんです。でもそのあとすぐに、サテンドールが「東日本大震災チャリティライヴ」をとても大きな規模で始められたので、さすがだなと思いました。わたしが勝手にやってたときには、すでに計画されていたんですよね。

「そうですね。すでにミューシャンに声をかけたり、お客様に宣伝したりしていた頃だと思います。ありがたいのは、そのころから毎回欠かさず来てくださるお客様がいらっしゃることですね。ミュージシャンも、毎回必ず参加してくれる人がいます」

そうですか! お客様や、参加してくれるミュージシャン、麻生ミツキータ光希さんのお話もお聞きしたいですね。

「それはぜひ、機会を作りましょう」

時々悲しく思うのですが、関東に住んでいると、震災に対する意識がなくなってきます。でも、今もまだ、復興は終わっていませんよね。被災された方々の生活は、元通りになるにはまだまだ時間がかかりますし、日本全体を見てみても、原発の問題や、瓦礫処理の問題など、残された問題は山積みです。

「神戸の復興のときもそうでした。忘れかけられた頃が一番大変なんです。サテンドールでは、これからもずっと、続けられるかぎり支援をしていきたいと考えています」

義援金の寄付先は社団法人みやぎびっきの会「びっきこども基金」です。

被災された皆さん大変だと思いますが、わたしとしては未来ある子供にと考えました。

そして、義援金が必ずすぐに届く所という事で「びっきこども基金」を選びました。

これまでのご報告をさせていただきます。

第1回~第11回までの義援金総合計¥1,850,729

義援金内容:

・    お客様から頂くミュージックフィ¥2,800全額

・    ミュージシャンのご飲食代全額

・ 物販費用の1部

・ 募金箱(お客様・ミュージシャン・当店スタッフより)

毎回当店出演の30名以上のミュージシャンにご賛同いただき、ノーギャラで出演していただいてます。

ミュージシャンの方からも何かできることはないか、との声がありましたので、ミュージシャンのご飲食代を全て寄付金にしました。

次回の開催日は、8月6日(月)・11月5日(月)です。